財務改善道場

2019.10.16

財務改善のためのヒント集②【売上原価】

 

在庫管理こそ原価管理のかなめ!

在庫のある業種においては、定期的な実地棚卸をやることで本当の原価管理ができます。

 

仮に毎月末に実地棚卸がなされていなければ、月々の原価は当月仕入になりますから、仕入が多い月には、原価が悪くなり、仕入を控えた月の原価は良くなります。

 

年に1回の決算時のみこの実地棚卸をしている場合、その決算期間の途中月の損益計算書は、実態とかけ離れたものになり、最悪の場合、経営者の経営判断を狂わせかねない事態となります。

 

これを避けるためにも、毎月末の棚卸は確実に実施しましょう。

 

棚卸時の注意点としては、単価のチェックが挙げられます。この計算方法として、原則は最終仕入価格で行いますが、単価の上下が激しい場合には、移動平均法を使うこともあります。
 

※在庫が月々の売上に相当する分以上膨らんでしまった場合のリスクを確認しましょう。

  1. 物によっては賞味期限、消費期限を過ぎたまま残ってしまう。
  2. すぐ売れる在庫ばかりなら問題ないが、売れる時期を過ぎて残ったものは、デットストックになりかねない。
  3. 在庫のための無駄なスペースや、場所によっては水道光熱費などの付帯経費がかかる場合がある。
  4. 変質・変色や破損などのリスクも発生する場合がある。
  5. 何より仕入=支払なので資金繰り悪化させる。

 
※実地棚卸をスピーディに終わらせるには・・・

  1. 棚の整理を棚卸表の記入順に合わせる。(逆もあり)
  2. 適正な在庫を把握しておき、在庫数を最小限に留めておく。
  3. それでも在庫切れを起こした時の補充方法を用意しておく。
  4. 仕入時の検品作業をしっかり行う。(不良品は即返品!)
    業者任せにしない。

(まとめ)

当たり前のことばかり書きましたが、中小企業では、このことが疎かになっている場面にいつも出くわします。棚卸作業に人手をさけないとか、月末は集金の方が大事だとか・・・できない理由はたくさんありますが、原価を制することの重要性を是非わかって頂きたいと思います。

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