平成26年4月より、消費税アップ(5%→8%)が決まりました。
このアップ分を そのまま価格転嫁できれば何の問題もないのですが、国税庁の調査によると、現在でも 消費税をそのまま価格に転嫁出来ている企業は、全体の50%に満たないとのことです。まり自分が負担している企業がまだたくさんあるということですね。
こんな状態でさらに3%もアップしたら、これは資金繰り上の死活問題につながります。
この消費税アップ分を転嫁できない、100%転嫁しづらい企業にとって、やるべき事は何か?それが、この社内経費の見直しです。もう一度、今の経費構造を見直すことで、この3%アップ分を内でカバーできたら良いですね。
ここでは簡単に見直すことができる経費の見直しの方法をご紹介いたします。
【1】 総勘定元帳
【2】 マーカ-3本(緑・黄色・ピンク)
経費削減をするうえでまず行わなければならないことは、現在の経費の見直しです。
まずは、総勘定元帳の経費科目をひとつづつ眺め、仕分けの一つ一つをマーカーで色分けしましょう。
■ 売上を作るのに必要な経費は緑(販売費・広告宣伝費など・・・)
■ 会社を維持運営するのに必要な経費は黄色(水光熱費・家賃・利息など・・・)
■ 上記の2つの属さない、ムダと思われる経費はピンク(交際費など・・・)
緑マーカーに色分けされた科目
基本的にはカットする必要がない科目です。逆に少ないかも?・・という視点が必要かも。(販売費・広告宣伝費など・・)
但し広告宣伝費は効果を測定する必要があるでしょう。
黄色マーカーに色分けされた科目
主に売上に関係なく出て行く経費がここにきます。
少しでもカットできないか交渉しましょう。
(家賃・支払利息・通信費・消耗品費・車両費・修繕費・保険料など・・・)
ピンクマーカーに色分けされた科目
この色が付いた科目は、真っ先にカットするものです。
通常は経営者本人に属するものが多いのが特徴です。講師の区別をハッキリとつけること。社員から見て、目に見えるものをカットすることで、社員も経営者の本気度を見ることができ、合理化にも協力的になるでしょう。
(交際費・諸会費・旅費交通費・経営者に関する車両費・経営者保険など・・)
経費削減で一番してはならないのが、一律○○%カット!・・というやりかたです。
このマーカーで色分けされた、それぞれの経費をキチンと見直すことで、メリハリのある経費削減を行うことが大切です。
次に第一次改革案が出たところで、社員さんを巻き込んで、さらに検討して下さい。経営者の視点とは違った見方・考え方があるでしょう。ここの意見の統一がないと、せっかくの計画も全社的理解と協力を得られませんから、当初の削減計画を達成するのが難しくなります。
マーカー別の担当者を決めるのも良いかもしれませんね。さらに大切な事は「期限」を決めることです。ダラダラやっていては時間のムダ。その間もキャッシュは垂れ流し状態ですから最長でも1ヶ月としましょう。
注意することは、せっかく協力してもらう社員の人件費カットには、最後まで手を付けないことです。 社員のリストラが先行する計画では、かえって社員の離反を生みかねません。全社的構造改革には、社員の理解と協力は不可欠なんです。
この経費削減を全社的に進める中で、これまでの経費構造~売上獲得構造までが見えてきます。良いチャンスです。スリム化し、筋肉質化することで、強靱な体質に変革できたらGOODですね。中小企業が大企業と比較して弱いとされる「システム化」が出来るきっかけになって欲しいものです。